現代アート系の美術館を巡る その2

次はワタリウム美術館。地下鉄の外苑前駅から徒歩5分位歩く。
雑貨店やカフェが併設され、地下にはon sundaysというアート専門の書店がある。
2階から4階に展示があり、美術館というより個人経営の大きめな画廊(縦に長い)という印象。
ここもお目当てはカールステン・ニコライである。
他にはキースへリングや小沢剛ヨーゼフ・ボイスなどの作品が展示されている。

さてカールステン・二コライの展示だけど、床に剥き出しのスピーカーが2個置かれ、
そこから出る低周波(高周波)が、台の上に置かれた水を湛えた複数のガラスオブジェに波紋
を浮かばせるというもの(多分そんな感じ)。

しかし、片方のスピーカーから全く音が出ていないせいか、ずっと
目を凝らしてみていても全く波紋は起きず
。そもそも音自体が小さく、もっと
可聴域ぎりぎりの低周波(高周波)で部屋全体を揺らすようなのを期待していたんだけど、なんか彼の
CDに入っている音楽をそのまま流しているような音だった。
そもそも片方のスピーカーから音が出てない時点で、作品として成立してないんじゃないか。
係りの人に聞いたら「すいませんが今故障中です。」とか言ってたけど、恐らくずっと放置されたままなんじゃないか
と勘ぐってしまう。大体音源を鳴らしているだけなんだから、音が出ないなんてケーブルの接触不良と
か簡単に直せる類のトラブルじゃないだろうか。個人的に納得いかないのは、とりあえず音は出ているし
作品としては問題ないでしょ、という風な安易な態度が透けて見えてしまうところだ。

サウンドインスタレーションの場合、絵画やオブジェの展示と違って、意図する音が正常に
出ているか常にチェックしていなければならない。そしてもし何らかの故障があったら、速やかに
直すべきだろう(その間は展示は止めてでも)。
これを作者本人が見たらどう思うのだろうかとか、音の展示の難しさとか色々考えてしまった。
ちなみに同じフロアにはジョン・ケージのドローイングも展示してあった。
チャンスオペレーションに基づいたドローイングだとか。